外科のイメージ写真

日常的に起きる切り傷、すり傷、咬傷(動物に噛まれた傷など)、やけど、褥瘡(床ずれ)などの皮膚(表皮、真皮など)で起きた損傷の治療をはじめ、粉瘤、脂肪腫、石灰化上皮腫、ほくろといった皮膚のできもの切除、巻き爪の治療も当診療科での対応となります。

外科で対応する主な疾患

  • 外傷(切り傷・擦り傷・咬傷・やけどなど)
  • 異物刺入(トゲや釘が刺さった時など)
  • 皮膚のできもの(粉瘤、脂肪腫 等)
  • 褥瘡(床ずれ)
  • 巻き爪 など

すり傷

主に転倒するなどして、顔や手足といった部位の皮膚を擦ってしまうことで、表皮が剥がれてしまっている状態がすり傷です。傷が深くなくても、傷口にアスファルトや砂などの異物が入り込んでしまうと化膿しやすくなるほか、傷跡が残ってしまうということもあります。

切り傷

刃物やガラスといった鋭利な器物などに皮膚が接触するなどして、傷口が鋭く切断されている状態が切り傷です。サビや土が傷口に入った可能性がある場合は、破傷風菌への感染も考慮し、予防対策としてワクチン(破傷風トキソイド)を使用することがあります。

巻き爪

主に足の爪が内側に巻かれた状態になることを巻き爪と言います。この巻き爪が皮膚に食い込むなどして傷ついてしまっている状態になると陥入爪と診断されます。原因としては、サイズや幅の合わない靴を履く、開帳足、外反母趾、爪白癬(足の爪の水虫)、深爪といったことが挙げられます。
治療は、日常生活の改善として、足のサイズに合った靴を履く、爪の切り方を変えるなどを行います。その他の治療として、テーピング、ワイヤーによる強制、アクリルガター法、爪の幅を細くする手術(フェノール法など)があります。

脂肪腫

脂肪組織の増殖によって発生する良性の腫瘍が脂肪腫です。主に皮下組織にみられる浅在性と、筋膜下、筋肉内にみられる深在性にわかれます。皮下でみられる腫瘍の中では頻度が高く、40~50代の女性に多いと言われています。肩、背中、臀部で好発しやすく、痛みなどの症状が現れることはありません。また単発なこともあれば多発することもあり、サイズも様々です。
治療に関してですが、脂肪腫は良性腫瘍なので必ずしも切除する必要はありませんが、悪性との鑑別が困難な際は摘出し、組織の検査を行った方が良いことがあります。

石灰化上皮腫

良性の皮下腫瘍ですが、石灰のように一部の皮膚が硬くなっている状態が石灰化上皮腫です。現時点で原因が特定されているわけではありませんが、毛母細胞由来の腫瘍ではないかと考えられています。同疾患は、幼児や小児の顔面や首の周囲、上肢(肩~指)で発生しやすく、皮下に硬いしこりを感じます。自覚症状はみられませんが、軽い圧痛がみられることもあります。このほか、細菌感染を起こすと赤く腫れ上がることもあります。
治療をする場合は、外科的に摘出を行います。

粉瘤

正式には表皮膿腫と言いますが、一般的には粉瘤あるいはアテローマと呼ばれます。これは皮下にできる袋状の構造物(嚢腫)に皮膚から剥がれ落ちた角質や皮脂といった老廃物が溜まるなどしてできたコブ状のものです。皮膚のどこにでも発生する可能性はありますが、とくに顔や首、背中、耳の後ろ、腰殿部に発生します。単発の場合もあれば、多発することもあり、徐々に大きくなっていきます。自覚症状は基本的にみられませんが、炎症を起こすと腫れや痛みがみられるようになります。
治療としましては、炎症が起きている場合は抗菌薬の内服や切開・排膿を行い、炎症が改善した後に構造物(嚢腫)そのものを取り除く外科的治療を行います。炎症がない場合でも、感染リスク予防のために外科的治療を行います。